「World of Symphony」

あらすじ

旅の楽団として世界各地を巡り、いろいろな街に立ち寄っては公演を行う主人公達。楽団の名前は「ルーグの光」と言い、北欧の神話に登場する光の神の名前を拝借したもの。全能の力を持つルーグ神のようにありとあらゆる国や地域の音楽を、という意味が込められている。そんな彼らの奏でる音楽はまさに多種多様で無国籍、しかしどこか懐かしく暖かみのある楽曲は聞く者を魅了し、感動を与える。それは演奏技術の高さは勿論、団員一人一人が本当に音楽を愛しているという何よりの証拠であり、彼らの誇りでもあった。

そんな主人公をはじめとする楽団のメンバー達、だが彼らはもう一つ全く別の顔を持っていた。それは演奏の技術以上に戦闘の能力に長け、「バロールの瞳」という名前の戦闘集団として世界各地の悪を倒していくというもの。バロールとは楽団の名前にあったルーグ神と同じ北欧神話に登場する魔王で、その瞳は世界中を見渡す事が出来たと伝えられている。その魔王の瞳に代わって世界中の悪を見つけ出し、主人公達は愛用の楽器を武器に換えて戦っていく…というのが大まかなストーリー。


登場人物

カイト=スプリング 通称カイ。
本作の主人公。楽団「ルーグの光」と戦闘集団「バロールの瞳」のリーダー的存在。扱う楽器はフルートのような銀の横笛で、大きさは実際のフルートより少し長め。非常に頑丈に作られていて、武器として使用する場合はそのまま殴打というのがメインになる。他のメンバーが使用する楽器のように特別な仕掛けはないものの、並の刀剣類では傷付けることも出来ないその強度は武器として十分なポテンシャルを持っている。

サイモン=ハーベスト 通称サイモン。
常に冷静沈着な男で、メンバー内での信頼も厚い頼れるナンバー2。扱う楽器はトランペット。普通のトランペットと比べると管が少し細く、先端があまり開いていない。リードを外して強く振ると管が真っ直ぐ伸びるように作られていて、戦闘時にはヤリとして使用することになる。

アワード=ブルース 通称ブルー。
好戦的な性格で、メンバーの中では一番戦いを好んでいる。扱う楽器はギター。見た目は普通のアコースティックギターだが、よく見るとフレット部分が少し長い。実はその中には刃が仕込まれていて、ヘッド部分の先端を抜くと剣になるという作りになっている。

スティーブ=マクレモア 通称マック。
このメンバーの中では一番若く、まだ少年のような顔立ち。扱う楽器はヴァイオリン。戦闘時はヴァイオリン本体を肩に背負い、弦を弓として使用する。矢はヴァイオリンの内部に何本も入っていて、ヘッド部分から一本ずつ取り出せるようになっている。

レイチェル=ミッドウェル 通称レイ。
唯一の女性メンバー、公演の進行役や楽曲によってはヴォーカルもこなす。楽器は持っていないが、身に付けている羽根飾りに武器が隠されている。たくさんの羽根は根元に刃が仕込まれていて、ナイフや投具として使っている。





「World of Symphony」

 1 (オープニング ここはあえて主人公達の表記を「旅人達」にしています。また、このシーンに台詞はありません)
晴れた日の昼下がり、砂漠の中にある街に数人の旅人(=主人公達)が訪れる。旅人達はみな背負っている荷物とは別に、明らかに旅の荷物とは違う包みを手にしている。ある者は細長い包みを、そしてある者は湾曲した形のケースを大事そうに抱えている。

街の中に入った旅人達は街の中央に位置する大きな広場に着く。何かを確認するように広場の周囲を見渡し、満足そうに頷き合う旅人達。すると手にしていた包みを一ヶ所に置き、背負っていた荷物をほどき始める。

その様子を少し離れたところから見ている街の住人達。荷解きを終え、なにやら作業に取り掛かる旅人達に興味津々といった表情を浮かべている。
 
そんな住人達の中から一人の少女が姿を現わす。少女は旅人達に向かって歩き出し、一番近くで作業をしていたレイに話しかける。話しかけられたレイは作業の手を止め、少女の視線に合わせるように腰をかがめて会話を始める。しばらくしてレイは荷物の中から一枚の紙を取り出し、少女に手渡す。

紙を受け取った少女は笑顔で住人達のところへ戻ってくる。途中で振り返り、大きく手を振る少女にレイは軽く手を上げて答える。

少女は住人達の前に立ち、嬉しそうに渡された紙を見せる。紙には綺麗な挿絵と「旅の楽団<ルーグの光>、本日公演。演奏開始、夕の刻。」という文字が。その文面を読んだ街の住人達はさらに興味深げに旅人達を見る。その視線に気付いたレイが住人達のほうを向き、ペコリと頭を下げる。するとレイのすぐ後ろで作業をしていたブルーがケースからギターを取り出し、住人達に向かって大きくかかげて見せてアピールする。

それを見た住人達は軽い歓声を上げ、二人に向かって拍手を送る。突然訪れた旅の楽団を快く迎えてくれた住人達に対してもう一度頭を下げるレイ。その奥では早くもテントが完成し、演奏会場のセッティングがどんどん進んでいく。

 2   
やがて太陽が沈み始め、街が赤く染まる。旅の楽団が来たという話は街全体に広まったらしく、会場の広場には大勢の人が集まっている。中央には簡単なステージが設けられ、その隣にはメンバー控え室のテントが張られている。

テントの中、メンバー達は演奏する楽曲の最終的な確認をしている。
カイ 「で、最後はいつもの曲で締める・・・と。途中の曲は雰囲気に合わせて変わるかもしれないけど大体の流れはこんな感じかな。」
マック 「うん、わかった。」
ブルー 「了解。さ、そろそろ始めようぜ。せっかくこんなに集まってくれたんだ、あんまり客を待たせるのも悪いだろ?」
サイモン 「そうだな。」
カイ 「よし、レイもいいな?」
そう言ってカイは途中から話し合いを抜けてテントの隙間から観客を覗いているレイに確認を取る。
レイ 「はーい。あ、さっきの女の子、ちゃんと来てくれたんだ〜。」
レイは隙間から観客を覗いたままカイの問いに答える。レイの言葉通り、客の前列には昼に会った少女が両親と一緒に演奏の開始を待っている。
カイ 「それじゃあ始めるか・・・」
カイがそう言うとメンバー達は無言で頷き、輪をつくる。少し遅れてレイが割り込むように輪に加わり、ニコッと笑ってカイを見る。
カイ 「よしっ」
メンバー全員の顔を見渡し、気合を入れるカイ。
カイ 「じゃあ今日も楽しんでいこう!」
全員 「おうっ!」
 
テントの中からメンバー達が出てくる。観客達から大きな拍手と歓声が起こる中、大きく手を振って観客の声援に答えるレイが先頭を歩き、その後をカイ、マック、ブルー、サイモンと続く。ステージ中央にレイが立ち、カイとマックが右側、サイモンとブルーが左側とそれぞれ自分の立ち位置に着く。マックとブルーの位置にはイスが用意されていて、二人はイスに座って高さの確認や向きの微調整を始める。

微調整を終えた二人が同時にカイのほうを見て頷く。それを見て軽く頷いたカイはレイに目で合図を送る。レイはコクリと頷き、観客のほうを向く。レイは少し間を取った後、ふわりと衣装を舞わせて大きく頭を下げる。パチパチと拍手が起こり、やがて会場全体が大きな拍手に包まれる。レイはゆっくりと頭を上げ、満面の笑顔を見せる。

レイ 「みなさん、今日は私達<ルーグの光>の演奏を聞きに来てくれて本当にありがとうございます。」
拍手が少し収まったところでレイが話を始める。
レイ 「私達は世界中を旅しています。世界には素晴らしい音楽がたくさんあり、その地に伝わる様々なことを表現してくれます。私達はそんな素晴らしい音楽をもっと多くの人たちに聞いてもらうため、そしてその音楽を聞いて喜んでもらうために旅を続けています。この街にもきっと素晴らしい音楽があると思います。それは長い時間の中、たくさんの人を通して今に伝わった宝物です。みなさん、今日はどうかたくさんの宝物を持って帰ってください。」
そこでレイは一旦話を区切り、穏やかな笑顔を浮かべる。再び拍手が起こり、レイは少し照れた様子で演奏開始を告げる。
レイ 「それではこれから演奏を始めたいと思います。一曲目は『風の色』という曲です、聞いてください。」
そう言ってレイはペコリと頭を下げ、ステージ中央からはける。観客はレイとこれから始まる演奏の双方に大きな拍手を送る。

レイがステージの隅に移動し、それと同時にメンバー達は楽器を構える。カイがブルーに合図を送り、頷いたブルーがゆっくりと弦を押さえる。静まり返る会場にブルーのギターが鳴り響き、カイ達の演奏が始まる。前奏はブルーのソロ、ハイフレットの早いアルペジオが会場を包み込む。情熱的な曲調(イメージ的にはスペイン、ポルトガル辺りのラテン系音楽)にカイの横笛が乗り、メロディーラインを奏でる。続いてサイモンのトランペット、マックのヴァイオリンが後を追い、音に深みと厚みが増す。観客達はステージ上の四人が織り成す音楽に聞き入り、前列にいた昼間の女の子も目を輝かせて演奏を見つめている。

やがて曲は終盤へ。再びギターソロが始まり、前奏のフレーズに少しずつアレンジを加えながら何度か繰り返していくブルー。途中からだんだんとスピードを落としていき、何度目かのフレーズのラストで一旦弦を弾く指を止める。一瞬間を置いた後、ブルーは最後の音を奏でる。

一曲目は無事終了。ブルーは大きく息を吐き、フレットを握っていた手を離す。そしてゆっくりと顔を上げ、軽く頭を下げるブルーに観客達は大きな拍手を送る。
 
拍手が少し収まってきたところでカイがステージ中央に移動し、次に演奏する曲の紹介を始める。
カイ 「次の曲は『星降る夜に』という東の国に古くからある曲を自分達流にアレンジしたもので、とても気に入っている曲です。それでは聞いてください。」
カイはそう言って手にしていた横笛を構え、目をつむりながらそっと口をつける。

会場にカイの吹く横笛の音が響き渡り、二曲目が始まる。カイが曲紹介をしている間に楽器を構えていた他のメンバーが、カイの音をサポートするように曲に入ってくる。曲は基本的にメロディーラインのみで構成されていて、シンプルだが力強い音を多用するという古い音楽によくあるパターン(イメージ的には「コンドルは飛んでいく」や「キリマンジャロ」のような曲)。現地の楽器でしか出せないような音、それを自分達の楽器で表現しようと加えられたカイ達のアレンジは原曲のイメージを崩すことなく観客に伝わる。

赤一色に染まる空の下、カイの奏でる横笛が観客達を魅了する(この曲をバックにカイ達の演奏の様子をダイジェストで展開、「この後も何曲か演奏していき、メンバー達と観客が一体になって盛り上がっていきました」的な映像に。メンバーそれぞれの見せ場と歓声を上げる観客、レイの曲紹介シーンや会場全体の絵が続き、曲が終わる頃にはカイ達の公演もいよいよ終盤へ・・・みたいな感じで次のシーンに入りたいなと思っています)。

場面はカイがステージ中央に立ち、目をつむりながら横笛を吹いているところから始まる。曲はすでに終盤を迎えていて、カイは額に汗を流しながら演奏を続けている。最後の音を会場中に響かせて曲は終了。演奏中ずっと目を閉じていたカイは横笛を口から離し、ゆっくりと目を開く。そしてカイは暗くなってきた空を見上げ、大きく息を吐く。

額の汗を手でぬぐい、観客に向かって軽く頭を下げるカイに大きな拍手が送られる。カイが元の立ち位置に戻り、代わってレイがステージ中央に立つ。
レイ 「今日は私達の演奏を聞きに来てくれて本当にありがとうございました。次の曲が最後の曲になります。」
最後の曲紹介を始めるレイ。
レイ 「曲名は『春に続く路』、私達が旅を始めるきっかけをつくってくれた曲です。この曲は私達が演奏する曲の中で唯一歌詞がついている曲、つまり歌です。この歌を聞いたのはとても小さな街で、その街では何かあるたびにこの曲が歌われていました。私達は結婚式で歌われているのを初めに聞いたので、楽しいときに歌われるものだとばかり思っていました。でもその数日後、この曲がお葬式でも歌われているのを聞いて私達は驚きました。"この街の人間はどんな時もこの歌と一緒、それはたとえ死んでしまっても同じなんだ"と言う街の人の言葉に、私達は音楽が持つ『力』というものを知りました。音楽が持つ力というのは決して特別なものではなく、音楽を聞いて元気になったり嬉しくなったりするのもその力の一つだと私達は考えています。今日の演奏を聞いて、みなさんに少しでも元気が出たり、楽しいと感じてもらえたのなら幸せです。・・・・それでは本日最後の曲です。『春に続く路』、聞いてください。」
レイはそう言って正面を向いたまま前奏が始まるのを待つ。

前奏はカイとサイモンの管楽器の音から始まる。短い前奏の後、レイが静かに歌い始める。カイとサイモンはレイが歌い出したのと同時に演奏の手を止め、曲はレイのアカペラになる。丁寧に歌詞の一語一語に感情を込めて歌うレイ。そこにブルーとマックの弦楽器が入ってくる。二人の音は完全にメロディーラインを避け、レイの歌声を引き立てようとベースラインに専念している。普段はメインの音を担当している管楽器の二人は途中まで一度も入ってこない。

間奏に入り、初めて四つの音が合わさる。それぞれの楽器を演奏する四人の誰が目立つわけでも無く、バランスよく音が重なっている。そこにレイの歌が加わり、曲は後半へ。この曲の持つ不思議な世界観が会場全体を包み込む。歌詞は少し悲しい内容なのに、曲には悲壮感が無い。全ての感情を超越し、その上で何かを語りかけてくる『何か』がこの曲にはあり、その何かが聞く人の心の奥底に響いてくる。

同じフレーズを繰り返す事も長々とソロパートが続く事も無く、曲はあっけないくらい早く終わってしまう。四人の奏でる音とレイの歌声が同時に止まり、曲が終わる。

しばらくその場に固まるメンバー達。静まり返っていた会場から少しずつ拍手が起こり、それにつられるように次第に大きくなる拍手の音。メンバー達は構えていた楽器をおろし、ゆっくりとステージ中央に集まる。一列に並んだカイ達は全員揃って大きく頭を下げ、観客の声援に答える。

ステージを降りるカイ達に"このまま鳴り止まないのでは?"と思わせるくらいの拍手が送られる。レイは何度も観客に向かって大きく手を振り、「ありがとー!!」を連呼している。

全員がテントの中に入ってもしばらく拍手が続く。
ブルー 「こんなに喜んでもらえるなんて思ってなかったぜ。」
マック 「すごいね、拍手がまだ聞こえるよ。」
そう言ってマックは観客がいる方向を見る。
レイ 「ねえ、カイ?」
レイが少し遠慮がちにカイの名前を呼ぶ。
カイ 「ん?」
上半身を脱ぎ、タオルで汗を拭いていたカイが振り向く。
レイ 「ちょっとだけお客さん達のところにいってもいいかな?なんかもう少しお礼が言いたくなってきちゃった。」
カイ 「わかった。あんまりはしゃぎすぎるなよ。」
レイ 「はーい。そんじゃいってきまーす。」
そう言って勢いよくテントを飛び出すレイ。次の瞬間、観客から大きな歓声が上がる。
レイ 「みんな今まで残ってくれてありがとー!!」
テントの外からレイの声が聞こえてくる。かなり大きな声で、歓声の中からでもしっかり聞き取れる。
サイモン 「・・・・・はしゃいでるな。」
カイ 「ああ、しかも全開だ。」
特に呆れた様子も無く、こうなるであろうと予測していた二人。
ブルー 「仕方ねーな、俺が監視しにいくか。」
ブルーは渋々といった表情を浮かべて立ち上がる。しかし手にはギターを持っていて、こころなしか足取りも軽い。
ブルー 「そんじゃいってくるわ、マックも行くか?」
マック 「え?・・・・えーっと」
ブルーの誘いにマックはあいまいな返事をしながらちらりとカイを見る。
カイ 「・・・いっていいぞ。そのかわりしっかり"監視"しろよ。」
カイはわざと"監視"にアクセントをつけて言う。カイの言葉にサイモンが鼻で笑う。
ブルー 「よっしゃ、カイからもお許しが出たんだ、さっさといこうぜ。」
マック 「じゃあいってきますね。」
そう言って二人はテントの外へ。さすがにヴァイオリンは持っていかなかったが、マックも楽しそうに外に出て行った。再び外から歓声が上がり、その後すぐにギターをかき鳴らす音が聞こえてくる。
サイモン 「・・・・・第二部が始まったな。」
カイ 「ああ、たまには二部構成もいいかもな。」
カイがそう言うと、サイモンが思い出したように口を開く。
サイモン 「構成で思い出した。今日の曲構成で気になったところがあるんだが・・・・」
サイモンとカイはそのまま今日の演奏について話し合いを始める。

 3
しばらくしてレイが外から戻ってくる。
レイ 「ねえ、二人とも聞いてよー!」
レイはテントに入ってくるなり楽しそうに話しかけてくる。
ブルー 「飲みに行こうぜ、飲みに。」
続いてブルーとマックもテントに入ってくる。
カイ 「どうしたんだ、いきなり?」
カイはやけにテンションの高い三人に何があったのか聞く。
レイ 「あのね、街の人達がこれから一緒に飲みませんか?って言ってるの。」
ブルー 「素晴らしい演奏を聞かせてくれたお礼だってよ。」
マック 「ぜひみなさんで、とのことです。」
三人はもう完全に飲みに行くモードに入っていて、カイを引っ張ってでも連れて行きそうな勢い。
サイモン 「せっかくのご好意、無駄にするのは得策ではないな。」
カイより早くサイモンが口を開く。
カイ 「そうだな・・・。よし、じゃあ行くか。」
レイ 「やったー!ほら、早く行こうよー」
レイがカイの腕を引っ張る。
サイモン 「一応楽器は持っていったほうがよさそうだな。」
そう言ってサイモンはトランペットが入っているケースを手にする。
ブルー 「ああ、美味い酒に音楽はかかせないからな。」
マック 「楽しくなりそうですね。まあ今からすでに楽しそうな人もいますけど。」
マックはそう言って、カイを引っ張って外に連れ出そうとしているレイを見る。
ブルー 「あれは例外だ。」
ブルーがキッパリと言い切る。
カイ 「頼むー、誰か俺の笛を持ってきてくれー!」
テントの外からカイの声が聞こえてくる。
マック 「あ、わかりましたー!」
慌ててマックが答えるが、カイの返事は返ってこない。代わりに「離せ、レイ!」とか「いてっ」という声が聞こえてくる。
サイモン 「・・・・いくか。」
サイモンはそう言ってテントを出る。
ブルー 「今日のレイの相手はカイか・・・」  
マック 「よかった・・・」
残った二人はそう言いながら安堵の表情を浮かべ、カイ達の後を追う。

場面は変わり、この街で一番大きいという酒場へ。カイ達が座っているテーブルにはたくさんの食べ物と酒が置かれていて、レイが目を輝かせている。
カイ 「すいません、こんなにしてもらって・・・・」
カイは自分達を誘ってくれた酒場の主人に礼を言い、何度も頭を下げる。
主人 「いえ、あんな素晴らしい演奏を聞かせてくれたんです。これくらいはさせてもらわないと。」
そう言うと酒場の主人は住人達のほうを向き、大声を上げる。
主人 「よし、みんな聞いてくれ!今日は全部俺のおごりだ、ジャンジャン飲んでくれよ!」
住人達が歓声を上げる中、主人が乾杯の音頭をとる。
主人 「よし、みんなグラスは持ったな?それじゃあ・・・・」
主人はカイ達のほうに向き直り、グラスをかかげる。
主人 「素晴らしい演奏を聞かせてくれた旅の楽団、<ルーグの光>のみなさんに乾杯ッ!」
全員 「カンパーイ!!」
 
こうして大宴会が始まる。ここから映像は演奏の途中同様ダイジェストで展開。カイに絡むレイ、酒を飲みまくるブルー、住人達と談笑するマック、なんとかレイから開放された様子のカイに酒を注ぐサイモン・・・といった映像から始まり、ブルーの奏でるギターに合わせて歌うレイ、盛り上がる住人達、酒場の主人と話をするカイと続く。酒場に集まった住人達の中には昼間の少女の両親もいて、レイやカイと楽しそうに会話をしている。少女の両親はまだ若く、なかなかの美男美女。その後すっかり出来上がったカイ達が一曲演奏して宴会は終了。カイが酔いつぶれて寝ているレイをかかえながら酒場の主人に礼を言う。その後ろではサイモンとマックが肩を貸し、ふらふらのブルーを支えている。

 4
場面は変わり、カイが宿屋のベッドの上で寝ているところから始まる。窓から差し込む光で目を覚まし、とりあえず上半身を起こすカイ。大きなあくびと共に両手を上げ、身体を伸ばす。
カイ 「・・・・昼、か。」
窓から見える太陽はすでに空の真上にあり、雲一つ無い空に輝いている。カイは立ち上がり、もう一つのベッドで寝ているサイモンに近付く。
カイ 「サイモン、もう昼だぞ。」
カイがそう言うとサイモンはすぐに目を開き、そのまま起き上がる。寝起きのいいサイモンはもういつもの表情に戻っていて、眠そうな様子は少しも無い。
サイモン 「・・・・眠そうだな、カイ。」
サイモンがカイの顔を見て言う。
カイ 「ああ、昨日はさすがに飲みすぎたからな。まあ頭が痛くないのが救いだ。」
カイの言葉にサイモンが軽く笑う。その時、ドアをノックする音が。
マック 「二人とも起きましたか?」
ドア越しからマックの声が聞こえてくる。
カイ 「ああ、いま起きた。」
カイはそう言いながらドアを開け、マックを部屋に入れる。
マック 「おはようございます。」
マックは二人に挨拶をすると急に表情を曇らせ、軽くため息をつく。
マック 「二人とも寝起きがよくていいですね・・・。」
そう言ってマックは自分の部屋の方向を見る。
サイモン 「ブルーか・・・・」
マック 「はい、さっきからずっと唸ってます。」
カイ 「ひどいのか?」
カイが気の毒そうに聞く。
マック 「はい、いつも以上です。」
カイ 「そうか・・・」
マック 「多分隣のレイさんの部屋にも聞こえてると思・・・」
その時、ガチャリと勢いよくドアが開く音がしてマックの言葉を遮る。
レイ 「あーもう、うるさーい!!」
三人が振り返ると、そこにはかなり不機嫌そうなレイが立っている。
サイモン 「お前も十分うるさいがな。」
カイ 「ああ、全くだ。」
マック 「気持ちは痛いくらいわかりますけどね。」
レイは寝起き全開の姿でカイの部屋に入ってくる。
レイ 「マック、よくあんなのと一緒の部屋で寝れるね。」
マック 「うーん、いつもこうじゃないんだけどね。あんまりひどいとこうやって避難するし。」
苦笑いしながらマックが答える。
レイ 「うー、せっかく気持ちよく眠ってたのにー。」
マック 「まだ寝てるつもりだったんですね。」
やや呆れ気味でマックが言う。
レイ 「え?」
マック 「もう少しでお昼ですよ。」
レイ 「そうなの!?」
レイはそう言って、慌てて窓のほうを見る。
レイ 「うわっ、ほんとだ・・・」
マック 「まったく、普通気付きますって。」
そんな二人のやり取りを見ているカイの表情が少し険しい。サイモンがそれに気付き、カイに尋ねる。
サイモン 「どうした、カイ?」
カイ 「おかしい・・・・」
あまりにも真剣な表情のカイに、レイとマックも会話に入ってくる。
レイ 「おかしいって?」
カイはレイの問いには答えず、黙って窓に向かって歩き出す。
カイ 「・・・やっぱり」
レイ 「え?」
カイは何かを確信したようにそう言うと、より険しい表情で三人を見る。
カイ 「レイ、早く自分の部屋に戻って着替えてくるんだ。マック、大急ぎでブルーを起こしてきてくれ。」
レイ 「ちょっと、どうしたのいきなり?」
カイの突然の言葉にとまどうレイ。
カイ 「説明は後だ、とにかく急いでくれ。頼む。」
レイ 「う、うん。わかった。」
マック 「なんとか起こしてきます。」
レイとマックはそう言って部屋を出て行く。
 
二人が出て行った後、急いで着替えをするカイとサイモン。上着の袖を通しながらサイモンが口を開く。
サイモン 「教えてくれ、一体なにがあったというんだ?」
カイはブーツの紐を結びながら答える。
カイ 「気付かないか?外の通りに人の気配が全く無いんだ。」
サイモン 「・・・・・」
サイモンが神経を集中させ、気配をさぐる。
サイモン「!」
カイ 「な、わかっただろ?」
窓に近寄り、外の様子を確認するサイモン。カイの言葉通り、外に人の姿は無い。
カイ 「さっきのレイとマックの会話を聞いていた時、なにか引っかかったんだ。もう少しで昼だというのは太陽を見ればわかる、だがそんな時間になっても外からは何も聞こえないどころか人の気配すらない・・・・」
着替えを済ませたカイが話を続ける。
カイ 「この宿の前は大きい通りだ。露店も出ていて、人通りはかなりあるはず。実際、昨日飲んでるときに話をした人の中に、この宿のすぐ近くで露店を開いていると言っていた人がいた。」
部屋を後にし、廊下に出る二人。 
カイ 「それを思い出して確信したんだ、俺達が寝ている間に何かがあったに違いない。」
サイモンが無言で頷く。
カイ 「レイ!マック!俺達は外にいる、用意が出来たらすぐに来てくれ!」
カイがドア越しに叫ぶ。
レイ 「わかった!」
マック 「今いきます!」
隣り合う二つの部屋から返事が聞こえてくる。カイとサイモンはそのまま階段を下り、宿の外に出る。

場面は変わり、カイ達が誰もいない通りを走っているところから始まる。三人はすでにカイから説明を受けていて、険しい表情で人のいない通りを進んでいる。
カイ 「とりあえず広場に向かおう、あそこまで出れば何かわかるかもしれない。」
ブルー 「ああ、しかしどうしたっていうんだ・・・」
ついさっきまで熟睡していたであろうブルー、しかし眠そうな様子は全く見せていない。ブルーは真剣な表情でそう言うと、走るスピードを上げて先に広場へ向かう。

角を曲がり、広場に続く通りに出たカイ達。広場は目の前、というところでブルーの姿が見える。先頭を走っていたカイが広場の入口で呆然と立っているブルーに声をかける。
カイ 「ブルー、どうし・・・」
声をかけるのと同時に広場の様子を見たカイ、言葉が途中で止まる。
サイモン 「!」
マック 「・・・・」
レイ 「そんな・・・」
カイに追いついた三人も広場の様子を見て言葉を失う。

広場の様子は、昨日カイ達が来た時とは全く違っていた。広場中央にあった石像は破壊され、辺り一面に破片が散らばっている。何店かあった露店も壊され、切り刻まれたテント生地や材木が転がっている。燃やされた店や商品が散乱している店もあり、果物を売っていた店の周辺には落ちて割れた果物が広がっている。そして広場中のあちこちでうずくまっている街の住人達。怪我を負い、血だらけになって横たわっている者や手当てに当たっている者で広場中が大変なことになっていた。

レイ 「なにが・・・あったの・・・?」
広場を凝視したままレイが言う。メンバー達は誰も答えない。
カイ 「・・・・」
カイが黙って広場の中へ歩き出すと、レイがその後を追う。
カイ 「・・・レイ、みんなで協力して住人の手当てだ。」
カイは振り返らずにそう言い、怪我人を診ている医者らしき男性に近付く。
レイ 「・・・うん、わかった。みんなに伝えてくる。」
レイはそう言うと、走ってサイモン達のほうへ戻っていく。

カイは肩口から血を流している住人の手当てをしている医者に近付く。
医者 「あなたは確か・・・」
医者がカイに気付く。
カイ 「刀傷か?」
医者 「ええ。」
カイがしゃがみ込み、傷口を見る。
カイ 「この傷は上部から曲刀でつけられたもの・・・」
医者 「詳しいのですね。」
治療の手は止めないものの、感心した様子で医者がカイに言う。
カイ 「教えてくれ、一体何があったんだ?」
怪我人 「盗賊です。大勢の盗賊がいきなり現れ、あっという間に・・・・」 
カイの問いに手当てを受けていた怪我人が答える。
怪我人 「広場に面していた店や露店から金や商品を奪い、その場にいた俺達を・・・・ぐっ!」
怪我人はそこで苦しそうに傷口を押さえる。
医者 「もういい、後は私が話そう。これ以上話すと傷口が広がるぞ。」
医者がそう言うと怪我人は頷き、その後の話を医者が話し始める。
医者 「盗賊どもは金品の他に広場にいた若い女性を数人捕まえ、すぐに去っていったそうです。抵抗した者はみな・・・・」
医者はそこで視線を広場に向け、地面に横たわるたくさんの怪我人を見る。
医者 「私が広場に駆けつけたときには盗賊の姿はなく、すでにこのような状態でした。手当てをしているときに聞いたのですが、盗賊どもは現れてから10分もしないうちに去っていったと・・・」
黙って医者の話を聞いていたカイが口を開く。
カイ 「この街には前から盗賊が?」
医者 「いえ、こんなことは一度もありませんでした。」
カイ 「・・・・・」
カイは険しい表情で何かを考えていたが、やがて意を決したように立ち上がる。
カイ 「とりあえず今は怪我人を助けなければ・・・・。」
カイはそう言って医者のほうを見る。
カイ 「俺達の中に医療の心得がある者が二人いる。ぜひ手伝わせてくれ。」
医者 「いいのですか?」
カイ 「勿論。」
医者 「・・・助かります。この街には私しか医者がいません、このままだと手遅れになる者もいます。どうかお願いします、街のみんなを助けて下さい。」
頷くカイ。その時、後ろから女性の声が聞こえてくる。
女性 「先生!大変です、すぐ来てください!」
女性の服は血だらけで、口調からも怪我人は相当の傷を負っていることがわかる。
医者 「わかった、今行く!」
医者はそう答えたが、この怪我人の治療が終わるにはまだ時間がかかりそうだった。
サイモン 「怪我人のところまで案内してくれないか?私が診よう。」
いつの間にか女性の横にはサイモンが立っている。
女性 「え?で、でも・・・・」
サイモンの言葉に戸惑う女性。
カイ 「大丈夫、彼を信じてくれ。」
カイが真剣な表情でそう言うと、女性はコクリと頷く。
女性 「あ、あの・・・こっちです!」
サイモン 「わかった。怪我人の容態は?」
サイモンはそう言いながら女性と一緒に怪我人の元へ走っていく。
カイ 「これであっちは大丈夫だな・・・」
カイはそう言ってサイモンから医者のほうに視線を移す。
医者 「申し訳ない、私はこの辺りにいる怪我人を診るので精一杯だ。あと、広場の反対側にもたくさんの負傷者がいるみたいなんだが・・・」
ブルー 「その心配は無用だぜ、マックがしっかりやってるさ。」
カイの後ろにブルーが現れ、広場の向こう側を指差す。そこには怪我人の手当てをしているマックの姿が。マックは他の手当てにあたっている住人に指示を出しながら手早く包帯を巻いている。
ブルー 「カイ、あっちは俺とマックに任せてくれ。どうやらこの辺りが一番酷そうだ、いまレイをここに向かわせよう。」
そう言いながらブルーがカイに近付き、小声で話しかける。
ブルー 「・・・カイ、聞いたか?」
カイ 「ああ、恐ろしく手際のいい奴等だ。」
ブルー 「それだけじゃないぜ。」
二人は今までで一番険しい表情を浮かべ、冷静な口調で街を襲った盗賊の話をする。
ブルー 「何人かの傷口を見たんだが、かなり鋭く斬られている。相当腕の立つ人間じゃないとあんな傷はつけれない。」
カイ 「確かに。・・・この街の近くに盗賊がいるなんて話は全くなかったようだ。曲刀を使うところを見ると、南側の国から来た可能性が高い。」
ブルー 「略奪を繰り返しながら北上している、ということか・・・・」
カイ 「おそらくそうだろう。とりあえず今は住人の手当てが先決だ、詳しい話は後でしよう。」
ブルー 「わかった、じゃあ俺はあっちに戻るぜ。」
ブルーがそう言って立ち去ろうとすると、レイが慌てて走ってくる。
レイ 「ブルー!早く来て、瓦礫の中に子供が!」
ブルー 「なにっ!?わかった、俺が助ける!!」
そう言ってブルーが走り出すと、レイが後を追おうとする。
ブルー 「レイはここでカイと一緒に手当てをしててくれ!」
レイ 「うんっ!」
レイもこの辺りが一番怪我人が多い事に気付き、カイのところへ駆け寄ってくる。
カイ 「レイ、この医師のサポートを。俺は怪我人をここまで運んでくる。」
そう言って走り出そうとするカイを医者が止める。
医者 「いや、二人で行ってきてくれ。ゆっくり運ばないと危険な状態の怪我人が多いんだ。」
カイ 「わかった、行くぞレイ」
レイが無言で頷き、カイと一緒に走り出す。 

カイと一緒に走っていたレイが急に立ち止まる。
カイ 「どうした、レイ?」
そう言ってカイも足を止め、レイに近付く。
レイ 「・・・・」
しかしレイはカイの問いには答えず、じっと一点を見つめている。
カイ 「!」
カイがレイの視線を追って見ると、そこには地面に座り込む昨日の少女の姿が。
レイ 「そんな・・・・」
レイはそれだけ言うと、少女のほうへ駆け出す。座り込む少女の前には彼女の父親が横たわっている。
カイ 「くそっ!」
カイもレイの後を追って少女の元へ走り出す。
カイ 「レイ、彼の状態は!?」
カイの問いかけにレイは力なく首を横に振る。
レイ 「・・・・もう・・・・」
レイはそこで言葉を止め、その場にしゃがみ込む。
カイ 「・・・くっ!」
歯を食いしばり、カイは悔しそうに拳を握り締める。
レイ 「・・・・・」
レイがゆっくりと少女のほうを見る。地面に横たわる父親を見つめる少女の顔からは一切の感情が感じられない。しかし少女の目は真っ赤で、頬には涙が流れた跡がくっきりと残っている。それを見たレイは目を潤ませ、少女から目を逸らす。

場面は変わり、広場の隅にカイ達が集まって会話をしているところから始まる。怪我人の手当てもあらかた終わり、色々なものが散乱していた広場も少しは片付いてきている。暗い表情で作業を続ける住人達に口を開いている者は誰一人いない。カイはただ黙々と片付けをしている住人達を横目で見て、大きなため息をつく。他のメンバー達も険しい表情を浮かべている。
サイモン 「さっき病院を覗いてきたんだが、これ以上の死者は出ないだろう。あの医師はなかなか優秀だ、後は彼に任せよう。」
カイ 「そうか・・・・」
ブルー 「じゃあ死んでしまったのはあの子の父親だけか・・・」
マック 「そんな・・・可哀相すぎるよ。だってあの子、お母さんまで・・・・」
マックはその後の言葉が出ない。
サイモン 「目の前で父親を殺され、母親は連れ去られた・・・。ショックは大きいだろう。」
レイ 「私、あの子の顔をしっかり見れなかった・・・。あんな顔をして悲しんでいるのに、私は何もしてあげれなかった・・・」
レイがつぶやくように言う。
カイ 「レイ・・・・」
カイが声をかけると、レイは泣き出しそうな表情でカイを見る。
レイ 「昨日はあんなに楽しかったのに、どうしてこんなことになっちゃうの・・・・?」
半分自分に問い掛けるような口調のレイに黙ってしまうカイ。

そのまま誰も口を開かないでいると、広場のほうから昨日の酒場の主人が近付いてくる。
主人 「こんなことに巻き込んでしまって本当に申し訳ありません。」
主人はカイ達の前に来るなり頭を下げ、誤り始める。
主人 「みなさんには怪我人の手当てまでしてもらって・・・。」
そう言って頭を上げた主人の顔は疲れ果てていて、昨日とは別人のよう。そんな主人を見て、やりきれない表情を浮かべるカイ達。
レイ 「マスター、あの女の子は・・・?」
レイが心配そうに尋ねる。
主人 「・・・ずっとあのままです。」
レイ 「そう・・・」
主人がそう答えるのを知っていたかのような返事をするレイ。再び誰も口を開かない時間が訪れる。

沈黙を破ったのはカイだった。マスターが立ち去ろうとした瞬間、カイが口を開く。
カイ 「・・・・マスター、聞きたいことがある。わかる範囲でいい、質問に答えてくれ。」
それまでのカイとは全く違い、厳しい口調でマスターに話し掛けるカイ。その表情は今までずっと抑えていたであろう怒りの感情が少しずつ現れていた。
主人 「は、はい・・・。私に答えれることなら・・・」
別人のように変わってしまったカイに戸惑い気味の主人。
レイ 「カイ・・・・」
ブルー 「やる気だな、カイの奴。」
サイモン 「・・・ああ。」
マック 「当然ですよ。カイさんが動かないわけないじゃないですか。」
主人とは反対に、カイの変化に何かを理解したような反応をするメンバー達。その表情はさっきまでとは違い、ある種の決意が顔に出ている。

 5、
場面は宿の中、カイの部屋に全員が集まっているところから始まる。メンバー達は楽器の入ったケースを自分の近くに置き、何かを確認するような会話をしている。
カイ 「みんなも聞いていたと思うが、酒場のマスターの話によるとこの街の北側はすぐに砂漠から岩山が多い地帯になるそうだ。」
マック 「マスターが歩いて半日って言ってたから本当にすぐだね。僕らだと3時間ってところかな?」
カイ 「大体そのぐらいだろう。」
サイモン 「で、そこに盗賊がいると?」
カイ 「ああ、俺はそうにらんでる。その岩場は風洞が多く、キャンプをはるには絶好の場所らしい。マスターがそう言うぐらいだ、盗賊どもが見逃すとは思えない。」
サイモン 「そうだな。ただでさえ目立つ盗賊が昼間に動くとは考えにくい。さらに連れ去られた女性がいるとなればなおさらか・・・」
ブルー 「行こうぜ、カイ。」
ベッドに座っていたブルーが立ち上がる。
レイ 「早く助けに行こうよ。」
レイも立ち上がり、真剣な眼差しでカイを見る。
マック 「もうここで話すことはないはずです、行きましょう。」
サイモン 「同感だ。」
二人も立ち上がる。
カイ 「ああ。」
カイが立ち上がり、横笛が入った包みを強く握り締める。
カイ 「<バロールの瞳>は絶対に悪を見逃さない、俺は絶対に奴等を許さん。」
そう言ってカイはゆっくりとメンバー達を見渡し、頷き合う。
カイ 「・・・行こう。」
カイはそれだけ言うと、先頭に立って歩き出す。

街の入り口を抜けたところでレイが立ち止まり、街のほうを振り返る。
レイ 「待っててね・・・・。すぐにお母さんに会わせてあげるから。」
レイはそう言って再び歩き出す。

(場面はここから色々な視点から砂漠の中を進むカイ達の絵に展開。演奏とは違ってほとんど汗もかかず、かなり早いスピードで進むカイ達。距離的にもそれほど遠くないため、すぐに次の場面に入ります)

砂漠を抜け、辺りの景色は一変して岩だらけに。カイ達はこの近辺で一番大きい岩山に向かって歩いている。
ブルー 「!」
ブルーが何かに気付き、立ち止まる。
カイ 「どうした、ブルー?」
ブルー 「馬の鳴き声だ・・・。間違いない、あっちのほうから聞こえてくる・・・」
目を閉じ、耳に神経を集中させるブルーが向いた先にはカイ達が目指していた岩山が。
サイモン 「・・・・多いな。」
同じく耳に神経を集中させたサイモンが言う。
ブルー 「50・・、いや、それ以上か?」
レイ 「そんなに?」
レイが意外そうに聞き返す。
サイモン 「ああ、そのぐらいだろう。」
カイ 「頭数もそうだが、腕の立つ奴も多いはずだ。街を襲ったときの手際のよさといい、かなり統率がとれているようだな。」
カイはそう言いながら周囲を見渡している。
カイ 「この地形ならかなり近くまで気付かれずに進めそうだな。マック、見張りはいるか?」
マック 「ここから見える範囲にはいないみたいだね。隠れてる様子もなさそうだ。」
カイに聞かれる前から周囲のチェックをしていたマックは即座に返答する。
カイ 「さすがにそこまで用心はしていないか。」
カイはそう言ってそのまま岩山に向かっていく。

カイ達は岩山のかなり近くまで進み、手前にある岩の陰に隠れる。
マック 「手前に二人、馬を繋いでるところに一人、あと奥にも何人かいるね。陰になって見えない部分にも多分いると思う。」
マックが岩のくぼみから向こう側の様子を見ている。
マック 「岩の中、かなり大きな穴があるみたいだね。残りはみんな穴の中にいるんじゃないかな?」
カイ「そうか・・・・。どうやら中央突破しかなさそうだな。」
カイがそう言って手にしていた包みから横笛を取り出す。
ブルー 「いいんじゃねえか?一番得意とするところだぜ。」
サイモン 「この場合は有効な手段だな。」
ブルーとサイモンはそう言ってカイの意見に同意、レイとマックも頷く。
カイ 「マック、離れている一人を頼む。それと同時にまず俺が斬り込んで手前の二人を倒す。みんなはその後をついて来てくれ。」
マック 「わかった。」
そう言ってマックはケースからヴァイオリンを取り出す。演奏時とは違ってストラップがつけられたヴァイオリン本体を背負い、ヘッド部分をひねるマック。するとヘッドが外れ、中から数本の矢が出てくる。そこから矢を一本取り出し、弦を弓のように構え、矢を添える。
ブルー 「ま、先頭はカイに譲るか。」
少し残念そうな表情のブルー。
カイ 「すまない、今回はどうしても俺が先に行きたいんだ。」
ブルー 「ああ、任せたぜ。」
ブルーがそう言うとカイは頷き、マックのほうを見る。
カイ 「よし、俺が飛び出すのと同時に撃ってくれ。」
マックは弓を引き、狙いを定めたところで頷く。
カイ 「いくぜっ!」
ザッ!という地面を蹴り上げる音と共にカイが飛び出し、同時にマックが矢を放つ。
盗賊 「うっ!?」
馬の近くにいた盗賊が声を上げ、その場に倒れる。穴の手前にいた二人が倒れた盗賊に気付き、慌てて近寄ろうとする。その一瞬の隙をついて一気に間を詰めるカイ。盗賊がカイに気付いたときにはもう遅く、すでにカイの横笛が完全に片方の盗賊の顔面をとらえていた。
盗賊(右) 「ぐあぁぁっ!!」
鼻をつぶされた盗賊(右)が叫びながら倒れる。カイは盗賊(右)の身体が地面に着くより早く、もう一人の盗賊(左)の腹に横笛を突き刺す。
盗賊(左) 「・・・・!!」
声が出ない盗賊(左)。顔を苦痛で歪ませ、腹を抑えたまま膝から崩れ落ちる。

ブルー 「さすがカイ、瞬殺だな。」
サイモン 「・・・ああ。」
そう言いながら二人は同時に岩陰から出て、手にしていた楽器を武器に換える。ブルーはギターのヘッドを握り、そのまま引き抜く。ギターはヘッド部分を柄とする剣のようになっていて、鞘にあたるフレット部分には刃が仕込まれている。ギターは鍔こそないが立派な剣に姿を変え、ブルーの右手にしっかりと握られる。サイモンは手にしていたトランペットからリード部分を外し、その場で大きく振る。すると曲がりくねっていた管が真っ直ぐに伸び、先端に鋭い突起のついたヤリに姿を変える。
サイモン 「・・・行こう。」
ブルー 「おうっ!!」
そう言って武器を手にした二人はカイの元へ走り出す。
マック 「僕達も行きましょう。」
二本目の矢を手にしたマックがレイに向かって言う。
レイ 「うんっ!」
レイはそう言って羽根飾りに手を伸ばし、数枚の羽根を抜く。羽根の先には刃が付いていて、鋭い輝きを放っている。レイは羽根を指に挟み、マックと一緒に走り出す。

二人を一瞬で倒したカイの前に、奥にいた盗賊達が姿を現わす。盗賊達はナイフや曲刀を構え、出てきた先からカイに襲い掛かる。
盗賊1・2・3 「うおおぉっ!!」
先に出てきた三人の盗賊がカイに斬りかかってくる。カイは退くことなく盗賊に向かっていき、攻撃をかわしながら通り抜ける。
盗賊1 「ぐあっっ!!」
カイと盗賊の位置が変わった瞬間、盗賊の一人が倒れる。残った二人はすぐに振り返ろうとしたが、それより早くカイの攻撃が二人を襲う。
カイ 「ていっ!!」
盗賊2 「ぐっ・・・」
盗賊が振り返る前に放ったカイの一撃が後頭部に直撃、一人が倒れる。
カイ 「はあっ!」
盗賊3 「ふんっ!」
キィィンッ!
続けて放った攻撃は上手く受け止められ、乾いた金属音が鳴り響く。
キンッ、キンッ、キィィィンッ!!
カイは攻撃の手を止めず、そのまま連続で攻撃する。
キンッ!ドゴォッ!!
盗賊3「ぐはぁっ!」
盗賊は始めの数発はなんとかしのいだものの、最後は横っ腹に深い一撃を食らって倒れる。カイは軽く息を吐き、すぐに戦闘態勢に戻る。そのとき、カイの両脇からドサッという音が聞こえる。カイが素早く両脇を見ると、そこには盗賊が倒れている。
ブルー 「やっぱりそこらへんの盗賊とは違うぜ。」
サイモン 「これは一度南へ行く必要があるな。」
そう言いながらカイの右からブルー、左からサイモンが現れる。二人はカイの両サイドに立ち、武器を構える。
サイモン 「来るぞ。」
サイモンの言葉通り、穴の奥からは次々と盗賊が出てくる。
盗賊A・B・C 「ぐあっ!」
襲いかかってきた盗賊のうち、前のほうにいた三人がいきなり倒れる。カイが後ろを振り向くと、弓を構えたマックと羽根をダーツのように持っているレイの姿が。
ブルー 「強力なバックアップがあるんだ、一気に攻めようぜ?」
ブルーがそう言ってカイを見る。
カイ 「そうだな。ブルー、サイモン、行くぞ!」
カイがそう言うと、三人はそれぞれ違う方向に散っていく。

ここから場面はカイ達の戦闘シーンに。この時バックにかかる音楽は西部劇に使われるような音楽を。華麗に舞うように盗賊を倒していくカイ、軽々と剣を扱うブルー、的確に急所を突くサイモン、一度に数本の矢を放つマック、近付く盗賊に羽根をナイフとして使って戦うレイ・・・・といった映像が続く。途中に盗賊が攻撃してくるシーンがあるものの、基本的に戦局はカイ達が押している状態。カイ達が攻め続け、だんだんと戦いの場は外から風洞の中へと進んでいく、ところで場面が変わる。

場面は風洞の中、盗賊のリーダーらしき人物が外の異変に気付いた、という場面に変わる。
リーダー 「どうした、なにがあった!?」
リーダーは穴の入り口のほうを見ながら近くにいた手下に怒鳴る。
手下1 「は、はい!どうやらさっきの街から誰かが来たようです!」
手下がそう言うと、リーダーは軽く鼻で笑う。
リーダー 「ほう、そりゃご苦労なことだな。さっさと片付けろ。」
リーダーはそう言い捨てると、風洞の奥に縛られている数人の女性を睨む。
手下2 「お、お頭!」
その時、穴の入り口のほうから一人の盗賊が慌てて走ってくる。
リーダー 「ああん?」
面倒臭そうに手下を見るリーダー。
手下2 「大変です、あいつらメチャメチャ強いんです!!」
リーダー 「はあ?」
手下を睨みながら大声で聞き返すリーダー。
手下2 「外にいた連中が全員やられました!どんどんこっちに向かって来てます!!」
リーダー 「なんだと!?」
リーダーはそう言って、再び穴の入り口のほうを見る。
リーダー 「・・・・!」
さっきよりも戦いの音が近付いていることにリーダーが気付く。
リーダー 「おい、てめえら!」
リーダーが穴の奥のほうに向かって怒鳴る。するとそこから二人の男が現れ、リーダーに近付く。二人の男はそれぞれ斧と大剣を持っていて、見るからに強そうな感じ。
リーダー 「お前らも聞いてたろ?ちょっと行ってきてくれ。」
斧の男 「まったく、ザコ共はあてにならねえな。」
大剣の男 「まあ少しは楽しめそうだ。それじゃお頭、ちょっと行ってきます。」
二人は薄笑いを浮かべ、穴の入り口に向かって歩き出す。
リーダー 「誰だか知らねえが面倒なことしやがって・・・」
リーダーはそう言いながら穴の奥へ消えていく。

場面は再びカイ達が戦っているシーンに。穴の中に戦いの場を移し、カイ達三人が前列から、レイとマックが後方から盗賊達を倒していく。すると穴の奥から斧の男と大剣の男が姿を現わし、カイ達の前に立ちはだかる。一目で二人の男の強さを感じ取った前列の三人は一旦集まり、死角を作らないように背中を合わせる。
ブルー 「剣を持ったほうは俺がやる、剣同士の勝負なら負けねえぜ。」
サイモン 「斧の男は俺が相手をしよう、ヤリなら優位に戦える。その間にカイはレイ達と残りを片付けてくれ。」
カイ 「わかった、二人とも頼んだぞ。」
カイがそう言うと、ブルーとサイモンは自分の相手に向かっていく。ここからまた戦闘シーンに入り、二組の戦いをメインに全員の戦っている姿が少しの間続く。

場面はもう一度穴の奥へ。リーダーの元へボロボロに傷付いた盗賊が現れ、戦況不利の知らせをする。リーダーは完全にキレた様子で、近くに置かれていた曲刀を手にする。そしてリーダーは戦いの場に向かう(このシーンはあえてヴォイスを入れず、表情とジェスチャーのみで表現します)。

リーダーが戦いの場に着くと、斧と大剣の男はかなり劣勢に立っていた。どんどん攻め立てるブルーといつもの冷静な表情で戦っているサイモンは傷一つ負っていないのに対して、二人の男は傷だらけの上に肩で息をしている。
リーダー 「なに・・・そんなバカな・・・・」
言葉を失うリーダー。さらに二組の戦いの後ろでは、カイとレイが接近戦で、マックが弓を使って他の盗賊達をほぼ全滅させていた。
リーダー 「何者だこいつら・・・・?」
思わず数歩後ろに下がるリーダー。その時ブルーとサイモンが同時にフィニッシュを決め、二人の男はその場に倒れる。その後ろでもレイが最後の一人を倒し、五人の視線はリーダーに向けられる。
リーダー 「くっ・・・」
リーダーは曲刀を抜き、構えを取る。ブルーとサイモンが近寄ろうとすると、後方にいたはずのカイがいつの間にか二人のすぐ後ろに。二人はその場に立ち止まり、カイが一人でリーダーに近付く。そしてゆっくりと横笛を構え、リーダーを睨みつける。
リーダー 「!!」
カイの手にした横笛を見て、リーダーは何かを思い出したような表情を浮かべる。
リーダー 「・・・まさか・・・・?」
リーダーがそう言うと、カイが口を開く。
カイ 「まさか・・・の次は?」
ひどく冷静な口調で話すカイ。
リーダー 「・・・バロールの・・・」
カイ 「御名答。」
カイはリーダーが言葉を言い終える前に答え、ゆっくりと近付く。
リーダー 「く、くそぉぉっっ!!!」
リーダーがいきなりカイに斬りかかって来る。カイはリーダーの一撃をなんなくかわし、もう一度斬りかかって来るリーダーの目をじっと見る。
リーダー 「う、うああぁぁっっ!!」
狂ったように叫びながら斬りかかって来るリーダーの剣筋はでたらめで、カイは攻撃を全てかわしていく。そしてカイは大きく振りかぶって斬りかかろうとしたリーダーの胸部に強力な一撃を食らわせる。
リーダー 「・・・・・」
言葉を発することなくゆっくりと倒れていくリーダー。カイはしばらくそのままの状態で目を閉じていたが、やがてゆっくりと目を開く。少し離れたところにいたメンバー達は、そこでやっとカイに近付く。

 6、エンディング(ここから最後のワンシーンまで台詞はありません)
その後カイ達は風洞の奥に縛られていた女性を助け出し、盗賊達の乗っていた馬に女性を乗せて街へ向かう。太陽が沈み始め、真っ赤に色付いた砂漠の中を歩くカイ達。この時バックでかかる音楽はアコースティックギター一本で奏でる情熱的な(中南米系のラテン音楽)曲が流れる。

場面は変わり、街の入り口にある門の前に二人の住人の姿が。何気なく住人の一人が夕日を見ると、太陽の中に黒い点のような何かが動いているのが見える。慌ててもう一人の住人に太陽を指差しながら興奮気味に話す住人、その間にもだんだんと大きくなる黒い点。それはやがてはっきりと人の形になっていく。それを見た二人の住人は大声でなにかを言いながら走って街の中に入っていく。

街の入り口に全住人が集まり、人の形はそれが誰なのかがわかるくらい大きくなる。女性を乗せた馬を引いていたブルーと、ちゃっかり自分も馬に乗っているレイが住人達に大きく手を振る。それを見て一斉に湧き上がる住人達はそのままカイ達に駆け寄ってくる。さらわれた女性の家族や友人、そして恋人達が無事戻ってきた女性達に笑いながら涙を流す。
街の入り口に着いたときにはもう身動きもとれない状態に。そんな中、少し離れたところに少女がぽつんと立っている。少女の母は馬から降りるとすぐに少女の元へ走り出し、涙を流しながら思いっきり抱きしめる。そして少女の顔に笑いが戻り、それを見ていた全ての人が微笑を浮かべながらうっすらと目を潤ませる。

そして場面は最後のシーンへ。カイ達が荷物を持って街の入り口に立ち、それを住人全員が見ているところから最後のシーンが始まる。住人達の先頭には少女を抱いた母親、酒場の主人、そして医者が立っている。
主人 「本当にもう行ってしまうのですか?」
残念そうな顔の主人。
カイ 「ええ、ご好意はありがたいのですが・・・・」
少し申し訳なさそうにカイが答える。
主人 「・・・わかりました。その代わり、またいつかこの街に寄ってください。」
カイ 「ええ、勿論。」
ブルー 「案外すぐ来るかもな。」
ブルーがそう言うと、住人から笑いがもれる。
医者 「あなた達にはいくら礼を言っても言い足りない、本当にありがとう。」
そう言って深々と頭を下げる医者にサイモンとマックが口を開く。
マック 「そんな、頭を上げてくださいよドクター。」
サイモン 「貴方も街の人間を救った一人だ。マックの言う通り、頭を上げてくれないか?」
そう言って二人は医者に手を伸ばし、握手を求める。医者は泣きながら手を握り返し、二人と力強く握手をする。
レイ 「よかったね。」
レイが笑顔で少女に話しかける。少女は大きく頷き、笑顔を見せる。
少女の母 「私もこの子も一生あなた達のことを忘れません。またこの子に会いに来て下さい、お待ちしてます。」
レイ 「・・・はい・・」
レイが涙を流しながら答える。

そしてカイ達は街を出て行く。 
カイ 「それでは・・・」
主人 「はい、みなさんもお元気で。」
全員が頷く。
カイ 「きっとまたこの街に音楽を届けに戻ってきます。」
カイがそう言って頭を下げ、それに合わせてメンバー達も頭を下げる。そしてカイ達は太陽の中に消えていき、物語は終了。以降スタッフロールなどが展開…という形になります。


                                       <World of Symphony END>






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